小田原箱根商工会議所メールマガジンより転載「経営革新計画事例「製造コスト低減のための主力機シリーズ化・標準機づくりとその生産体制の改良」(株)吉野機械製作所」
2022-05-15


小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.436に寄稿した記事です。

-----------以下、寄稿内容

 吉野機械製作所は、鍛圧機械やその関連装置の製造販売を行う会社です。大手との競争下、オーダーメードの専用機や自動化ラインの受注比率が徐々に高くなり、納品が完了しなければ採算が掴めないという様なリスクの高い経営状況に陥りました。二代目の吉野有信社長は、柱となる独自製品を持ち、安定的な企業体質に改革したいと考え、経営革新計画に取り組みました。

 経営革新計画には、平成21年9月から平成25年1月までの5年計画で、取り組みました。申請時に設定した具体的な目標は以下の5項目です。
(1)汎用性のある開発製品及びリピート機の生産比率を高める。
(2)外注加工費率を下げ、内製比率を高める。
(3)社内加工設備の更新及び増設
(4)組立作業の効率化
(5)ユーザー引合いに対して、標準機及びリピート機を充てるようにする営業戦略をとる。
これらの目標の下、共有部品や共有ユニットをコアにした主力機のシリーズ化と標準機づくりを推進し、製造コストの低減と大幅な納期短縮を目指しました。

 経営革新計画に取り組んだ成果として、標準機として開発したACサーボベンダー装置が展示会に出展した事をきっかけに大手ユーザーから受注、即戦力経験者の増強により外注費軽減を実現、あるいはベンダー装置本体の共通化を図り原価低減を実現、などが達成できたそうです。数字的には、売上高伸び率4.2%、経常利益伸び率約16.7%、付加価値額伸び率94.8%、一人当たり付加価値額伸び率80.9%、という極めて良好な成果を上げました。

 吉野有信社長は、この経営革新計画の後、自らの役目を次世代への引き継ぎと考え、将来に向けて人材の確保、効率の良い企業体質への転換、あるいは社員全員が経営参画意識を持つ、等々の取り組みを行っているそうです。

参考 チャレンジ企業千葉〜経営革新計画事例〜
[URL]
[ものづくり企業お役立ち情報]
[山本の事]

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